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- ドクターズインタビュー
医師を目指されたきっかけについて
教えてください
これはよく聞かれるのですが、もともと最初は建築士になりたくて京都大学の工学部に行きたいと思っていました。しかし高校時代に仲の良かった友達が「一緒に神戸大学医学部に行けへんか」と誘ってくれて。「そっちもいいかな」と思い志望しましたので、あまり深い信念があってここにいるわけじゃないのが、他の先生と違ってお恥ずかしいです。
なぜ心臓を専門にしようと思われたのですか?
最初は心臓血管外科医になりたいと考えていました。しかし外科の手術のオペレーターになるのは人数も少なくて、心臓の治療をするのであれば循環器内科の方が、カテーテルなどでたくさん治療実績がありました。そちらの方が多くの患者さんにかかわれるのではないかと考え循環器内科を選びました。また、当時の循環器内科の助教授に怖い先生がおられ、「もっと勉強しろ」と、よく怒られていました。6年生の夏頃、その先生が「ちょっとこっち来い」と声をかけてくださり、医局の勧誘会に呼ばれたのです。あんなに怖い先生が「岡本、うち入らへんか」と誘ってくださったこともあり循環器内科の道に進みました。
先生はご実家が淡路島なのですか?
実家は尼崎出身です。震災のときに家が壊れて、母方の実家である加古川の方に移り住みました。
おかもと循環器クリニックは、
勤務されていた病院の近くなのですね
そうですね。淡路島で一番大きな病院で県立淡路病院というのが昔ありまして、今は県立淡路医療センターになっていますが、ここで17年勤務してきました。家内もこの辺の人間なのでここ淡路島で開業しようと考えました。
大きな病院での勤務と、地域のかかりつけ医の
違いは何だと思いますか?
まったく別世界です。大きな病院では、紹介されてくる患者さんはみんな病気がありますが、クリニックだと病気がない人がほとんどです。「ドキドキする」とか「痛い」といった症状で不安になって来院されますが、本当に病気がある人は5%ぐらいしかおられません。そのため患者さんはみな検査をして、丁寧にご説明をすると安心して帰る方がほとんどです。
勤務時代と開業後で、診察の視点に
変化はありますか?
医師になってから変わらぬ信念として、患者さんが困って病院にこられています。その困っている問題を一緒に解決して、喜んで帰っていただきたいという思いがあります。
病院に来る患者さんはみなさん何かしら症状があり落ち込んでおられます。気分が落ち込んで痛がったり、手術が必要かもしれないと不安になったり。「思っているよりは悪くないよ」とか、糖尿病でもいい成績のときはすごく褒めてさしあげたりするなど、ポジティブな気持ちで帰っていただけるよう心がけています。勤務医時代からそういう点には気をつけ診療にあたってきたつもりです。
おかもと循環器クリニック
の基本理念
「いついかなるときも
地域の皆様とともに
同じ目線で問題解決するために、
当院の全力を尽くす」
基本理念について
もう少し詳しく教えてください
患者さんとは上下関係ではなくて対等でありたいと考えています。
患者さんを叱る先生もいますが、私にはその権利はないと思っています。相談に来られたのだから、「こうされたらどうですか?」とアドバイスはできますが、強制はできません。
例えば血圧の薬について、「飲み始めたら一生飲まないといけませんか?」と聞かれたら、「あなたの体だから自由にしたらいいと思いますよ。健康でいたかったら飲んだ方がいいですけどね」とお伝えます。絶対服用しろとは言えません。あくまでも対等に、“普通の「ちょっと医学に詳しいおっちゃん」のところに相談しに来る”そんな感じのクリニックにしたいと思い、同じ目線でお話することを大切にしています。
クリニックに来られる患者さんの
年齢層を教えてください
淡路市は高齢者が特に多いです。
地域医療への
取り組みとご展望を教えてください
早い段階から病気を見つけられるようにしたり、心臓リハビリで体力をつけて健康でいられる時間を増やしたり。病院に来院できない患者さんには、お宅まで往診したりもします。
医師だけでなく、訪問看護師やリハビリの先生、ケアマネさんなど他職種が協力して患者さんを支えていく。そういう連携をもっとしていきたいと考えています。
患者さんがクリニックに来られたとき、一番
注意して診察しているポイントは何ですか?
一番注意しているのは、「患者さんが元気よく入ってくるか」、「足をひきずるようにヨボヨボ入ってくるか」という点です。
そこで、その人の普段の生活レベル(ADL)がだいたいわかるため、経験に基づく視点でいつも見るようにしています。
今、高齢者の一番の問題はフレイル(虚弱)です。やせた体型が健康に直結すると言われていて、とくに太ももの筋肉量が大切です。足腰がしっかりしている人は、地域の活動にも参加できます。淡路島には「100歳体操」というのがあり、みんなで集まって体操する取り組みがあります。しかしながら、体力が弱ってくるとそういう集まりにも行かなくなり、家に引きこもりがちになる。すると余計に体力が落ちてしまうという悪循環に陥ります。幸い淡路島は第一次産業が盛んなので、80歳を超えても畑仕事をされている方が多く、都会の同年代の方々より足腰がしっかりされた方が多いです。患者さんが来られたら、足腰の状態と認知症の有無をまずはしっかりとチェックしています。
クリニックでは、病気は
大体安定していますが、
むしろ生活レベルが
落ちていることが問題です
循環器内科医として
心臓リハビリテーションへの思いを
お聞かせください
昔は心臓病の患者さんは心臓に負荷をかけてはいけないと言われてきました。しかし最近はCPXという検査で、「どこまで運動しても大丈夫か」ということがわかるようになりました。心臓と肺に負担にならない程度の運動量を測定して、心電図と血圧をモニタリングしながら安全に運動負荷をかけていくと、どんどん元気になるのです。
心臓リハビリテーションは、薬やカテーテル治療よりも治療効果が高いです。そのためできるだけ多くの患者さんにリハビリを受けていただきたいと考えています。
リハビリは続かない患者さんもいますが、なるべく継続してもらえるよう、4人1組で和気あいあいと楽しくやっていただけるように工夫もしています。スタッフとも気軽に話せる雰囲気作りを心がけています。
診察は予約制ですか?
そうです。開業のタイミングがコロナ禍と重なったため、予約制をスムーズに導入できました。たまにふらっと来られる患者さんもおられますが、基本的にはほとんどの患者さんが予約して来られています。
ご高齢の患者さんには
予約は敷居が高いのではないですか?
昔ながらのクリニックは予約なしでふらっと来て、1〜2時間待合室で待って診察が当たり前でした。当クリニックは予約診療が主流のため、「予約しないと診てもらえないだろう」と思われがちです。
しかし実際には電話1本で簡単に予約が取れますし、予約があれば待つことなく診察できます。その辺りをもっとアピールしていきたいと考えています。
予約は電話一本、
お気軽にお電話してください
クリニックのホームページを見て初めて
来院される方やこれから通院される方に
メッセージをお願いします
このホームページをご覧いただきありがとうございます。おかもと循環器クリニックの岡本 浩です。
当院では「いついかなるときも地域の皆様とともに同じ目線で問題解決するために、全力を尽くす」ことを基本理念としています。患者さんとは対等な関係を大切にし、体のことで気になることがあれば、気軽に相談できるクリニックを目指しています。
患者さんの多くは深刻な顔で来院されますが、「大丈夫ですか?」と声をかけ、検査をして結果をご説明すると、みなさん笑顔で帰られます。「思っているよりも明るく帰れる」そんなクリニックを目指しています。まずは電話一本でお気軽にご予約いただき、何でもご相談ください。
地域の皆様のかかりつけ医として、全力を尽くしてまいります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。